日本では高齢化社会が急速に進んできています。高齢化が進むと気になるのが介護の問題。
特に家族が介護の状態になってしまったとき働きながら家族のケアはどれだけできるでしょうか。今回は介護と仕事の両立について考えてみましょう。
介護と仕事、介護離職が問題になっている現代
高齢化が進み高齢者の数も以前より増えたように思います。
高齢化と背中合わせに問題にあ上がってくるのが介護の問題ですが、家族の介護が必要となったとき、これまで通り現役並に働きながら介護をしていくか、それとも働き方を変えながら介護をするのか、もちろん介護の度合いにもよりますが大きな問題に直面することになるかと思います。
家族をケアしてあげたいと思う一方で、自分の人生もしっかり送りたい。
それでも介護の度合いによっては自分の仕事がままならなくなり職場にいられなくなり離職するケースという少なくありません。介護は多くのジレンマと抱えながらになっています。
介護と仕事の実態
厚生労働省の調査検討委員会では介護と仕事の両立に対しての次のようなアンケート調査があります。参考資料:厚生労働省「在宅介護実態調査の集計結果に基づく分析・考察の一例」
①仕事と介護の両立に向けた支援・サービス提供体制
参考資料:厚生労働省「在宅介護実態調査の集計結果に基づく分析・考察の一例」
具体的に(介護を)続けていくのはかなり難しいという介護サポートを挙げると次のようなものがあります。
・日中の排せつ9.8%
・夜間の排せつ25.0%
・入浴・洗身28.1%
・屋内の移乗・移動18.8%
・外出の付き添い・送迎31.3%
・認知症への対応37.5%
・医療面での対応12.5%
・食事の準備28.1%
上のグラフからもわかるように、介護状態が進むと排せつ・洗身・食事といった人として生活するのに必要な本当に基本的な行動が自分自身ではできなくなってきます。
この状態になると家族でのサポートだけでは困難となることがわかります。
②働く環境と介護
参考資料:厚生労働省「在宅介護実態調査の集計結果に基づく分析・考察の一例」
上のグラフを見ていただくとわかるように介護のために労働時間の調整をして働いている人が圧倒的に多いことがわかります。またその方々は続けていくのは「やや+かなり難しい」と回答していて介護認定度の進んだ家族をサポートする場合、負担が大きくなっていることが想像できます。このように介護のために働く環境に調整が必要となることがわかります。
また資料内にある考察にあるように、こういった介護と仕事を両立させるためには情報提供や相談しやすい雰囲気作りが介護離職を防止するための効果的な方法であると考えられます。
介護と仕事の両立はどんな風に大変になるか
介護と仕事を両立していくためにはどんなことが大変になるでしょうか。
たとえば毎日ヘルパーさんに入ってもらっている最近の私の家の場合ですと
・その日に起こったことで気に留まることがあったときに即時に私に電話が入る
・体調がすぐれないときに通院の付き添い
・毎食の食事の準備、買い出し
・ヘルパーさん、リハビリ、看護士さんなどの人の手配、調整
・定期的な病院の手配(病院への事前連絡、介護タクシーの手配)
ざっと挙げてもこのように書き出すことができます。
現在は母一人での外出こそまだできないものの家の中なら歩くことが可能になったので、それでも以前の寝たきりの状態に比べればはるかに楽になっています。
しかも私の仕事の場合比較的自由に時間を組むことができる分、突発的に何か対応が必要であってもすぐ対応することができるので、本当にありがたいことだなと思っています。
しかし一方で全ての時間を介護に充てることはできませんし、仕事の時間も確保したいところです。一時期は仕事が手につかないほど介護の時間に要することが多かった時期もあり、介護度に応じて介護と仕事の両立は簡単にはできない場合も大いにあると感じています。
介護と仕事の両立を支援、国の施策
高齢化社会が進む日本の中で労働者人口を減らさないということは必須です。
そのために介護と仕事をいかに両立させていけるかどうかが大きな鍵となっています。
たとえば国の施策としてはこのようなものがあり、是非有効に利用したいものだなと思います。
介護休業制度
介護休業給付
介護休暇制度
勤務時間の短縮措置
介護者側に対する介護制度は詳しくはこちらを参照ください➡働きながらの介護の場合は必ずチェックです!介護休業の賢い使い方
また厚生労働省からは企業側の対策として仕事と介護の両立支援マニュアルというものを作成してますので、人事労務を担当されている方には是非一度目を通して対策作りに役立てていただきたいです。具体的な事例なども上がっているのでわかりやすいです。
➡厚生労働省「企業における仕事と介護の両立支援実践マニュアル」
家族が介護の状態となったとき、働いている中でどれだけサポートできるかは、まわりの理解と協力が不可欠であることがわかるかと思います。
特に日頃からの職場の環境作り、雰囲気作りは大切にしていきたいですね。