扶養制度をうまく使って親御さんを扶養にしている方もいるかと思います。親御さんを扶養に入れると税金や社会保険の面で扶養制度を使うことができたりします。
しかし、扶養に入れることで意外に見落としがちな盲点があるのをご存知でしょうか。

今回は親御さんを扶養に入れる際の注意点をお話します。

 

親を扶養に入れると所得税がお得に

扶養制度には配偶者だけでなく子供、親を扶養に入れることで控除を受けることができます。

扶養には所得税の観点と社会保障の観点と2つの観点があるのでどちらも押さえておくことが大事です。

所得税は老人扶養親族という枠で図のように同居であれば58万円、同居以外であれば48万円の控除となります。

扶養控除

参考資料:国税庁No.1180扶養控除より

 

健康保険は扶養家族と一緒なのでこちらもお得

社会保険での扶養の対象となるのは、生計を一にしている配偶者(内縁も〇)、3親等以内の親族です。ただし75歳未満という年齢制限があります。
75歳以上の場合には後述の後期高齢者医療制度として健康保険に加入する必要があります。

所得税の扶養とは少し考え方が違っていて、法律的に家族かどうかというより生計を一にしているかどうかを重要視され、家族によっては同居の要件が必要になることもあります(配偶者、子、父母、祖父母の場合は同居の必要はありません)。

 

所得税、社会保険の扶養制度については詳しくはこちらの記事をご参照ください➡「扶養控除制度を有効活用。親を扶養に入れるのはアリ?ナシ?

 

親を扶養に入れると高額療養費制度が使えない?

親御さんを扶養に入れるとこういった税金面で良い面は多いのですが一方で良い面だけではありません。

一番のデメリットは高額療養費制度が使えなくなることです。
正確にいうと使えないわけではありませんが、扶養に入ってない状態と比較すると保障は少なくなります。

高額療養費制度そのものについて詳しくはこちらをご参照ください➡「治療費をおさえる為に大事な高額療養費制度

具体的にお話していきましょう。
たとえば老齢年金として年間120万円もらっている親御さんがいるとしましょう。
お子さんの所得が例えば年間800万円だった場合、同居している親御さんを扶養に入れればその分上記のとおり税金面で控除などを受けることができます。

しかし親御さんが病気をされ長期の入院や手術をした場合には、健康保険で受けられる保障、たとえば高額療養費制度などはお子さん側の所得をもとに考えるようになります。

例のお話で言うとお子さんの所得は800万円ですので高額療養費制度の適用所得範囲は下図のように69歳以下のイになり167,400円+(医療費ー558,000)×1%の金額が自己負担額となります。

 

出典:厚生労働省資料「高額療養費制度を利用されるみなさまへ

一方もし扶養に入っていない場合であれば年金の金額120万円をベースに考えるので、70歳以上の非課税枠のⅡとなり一つの上限は24,600円ということになります。

出典:厚生労働省資料「高額療養費制度を利用されるみなさまへ

 

親を扶養していても75歳以上は後期高齢者医療制度に変更へ

もし親御さんが75歳以上の場合は健康保険自体が後期高齢者医療制度という形になります。
これは75歳以上の方に対する一定の健康保険制度になり、所得が145万円以下の場合には自己負担割合は一律1割となる制度です。

扶養されている場合など世帯の被保険者が現役並の所得がある場合などには3割の負担となります。

参考資料:東京都後期高齢者医療広域連合HPより

 

条件がそろえば自己負担割合を3割から1割に変更することもできます。
その場合毎年「基準収入額適用申請」というものを申請して認定をもらう必要がありますが、適用されれば3割負担の場合であっても1割負担になります。

参考資料:東京都後期高齢者医療広域連合HPより

 

いかがだったでしょうか。

扶養制度と一概にいっても年齢によって保障内容が異なる場合もあるので注意が必要です。特に医療制度に関わる健康保険については高齢となれば使う機会も多いかと思いますので親御さんの医療費をどのように準備しておくか事前に考えておくことも大事なことだと思います。

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