医療費に関する健康保険制度が少しずつ変わってきているというお話を前回しました。
詳しくはこちら➡混合診療の解禁という健康保険の変化

混合診療の解禁と言われ昨年2016年から始まった患者申出療養制度は、一年経ってどのような現状なのでしょうか。

 

混合診療の解禁?「患者申出療養制度」とは

混合診療の解禁と言われ、昨年話題になった患者申出療養制度が開始されて一年、その後の利用状況が気になるところです。

まずは患者申出療養制度とはどんな制度なのか見ていきます。

〇患者申出療養制度とは

未承認薬等を迅速に保険外併用療養として使用したいという困難な病気と闘う患者さんの思いに応えるため、患者さんからの申出を起点とする新たな仕組みとして創設されました。将来的に保険適用につなげるためのデータ、科学的根拠を集積することを目的としています。 (厚生労働省HPより)

 

現在、未承認薬を取扱って行う医療行為は次のような4つの方法があります。
①治験
②先進医療
③患者申出療養(2016年より開始)
④それ以外の臨床研究

 

出典:厚生労働省HP資料「保険外併用療養制度について」

 

これまでは厚生労働省で適格基準に基づいて承認した先進医療が保険外併用療養の中心だったと言えます。

そこから一歩進んで、患者からの申し出により先進医療の対象ではないけれども一定の安全性・有効性が確認された医療として③患者申出療養制度が導入されたわけです。

一度患者申出療養として取り扱った治療は、前例があるという点で使いやすくなると言われています。

 

患者申出療養制度の申出方法

もしこのような患者申出療養制度を実際に利用して新たな治療方法をなんとか受けたいという場合にはこのようになります。

 

〇患者申出療養制度を利用し申し出る場合

①掛かりつけの医療機関に相談

②相談を受けた担当医師が大学病院等と連携して対応
→保険外の治療方法が患者さんに適しているかの検討や情報収集
→既存の患者申出療養や先進医療で行われていないか、もしくは治験段階などではないか
→治療のための計画をたてるために充分な情報(科学的根拠)があるか

 

患者申出療養制度の現状は

患者申出療養制度は、受けられる治療方法が広がるという点でも期待したい制度だなと個人的には思っています。

制度開始から現在まで、患者申出療養制度の利用状況は4件。
心臓病やがんの治療のための治験が中心です。

 

出典:NIKKEI STYLE「混合診療の例外制度開始1年 申し出への承認まだ4件」

 

制度の利用はまだ4件とは言えこの治験によって合計142人対象となり、これまで進められなかった治療が少しずつ受けられるようになっています。

 

患者申出療養制度にはまだ課題が

現行の患者申出療養制度では次のような課題があります。

 

①費用面についての課題

患者申出療養に係る費用については患者が全額自己負担となり、それ以外の通常の治療と共通する部分(診察・検査・投薬・入院料など)の費用は一般の保険診療と同様です。
保険診療での一部負担+患者申出療養に係る費用として金銭的に大きな負担が必要になってしまいます。

②情報面についての課題

医療現場では、昨年から多くの患者申出療養に関する相談があるそうですが、治験すら行われていないような治療についての相談もあるそうです。
正しく有効になる治験情報が一般的には入手しづらい現状というのがまだまだあるからです。

 

 

患者申出療養制度は、まだまだ利用が広がっているわけではないですが、少しずつ制度が安定的に認知、拡大していくといいなと思います。

 

参考サイト:

厚生労働省HP「患者申出療養の概要について」

NIKKEI STYLE「混合診療の例外制度開始1年 申し出への承認まだ4件」

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう