毎日の生活の中でモノを買うお金について気にしたことはあるでしょうか。
買ったときの金額は今までと、そしてこれからと、ずっと同じなわけではありません。今回は難しくとらえられがちな物価上昇率について考えてみましょう。

 

物価上昇率(インフレ率)とは?

モノを購入したときの価格を総じて物価と呼びます。物価上昇率とは前月、もしくは前年同時期で比較したときの物価の価格変動率を表します。

物価が上昇すると何がいいのでしょうか?それとも悪いのでしょうか?
それを考えるにあたってはインフレとデフレという状態を理解することが鍵になります。

 

物価上昇とインフレ・デフレの密な関係

インフレという言葉をきいたことがあるでしょうか。
インフレは「インフレーション」の略で、物価が上昇してお金の価値が下がっている状態を表します。

どういうことかというと
たとえば今パン1斤が100円で買えたとします。
それが5年後に300円になりました、という状態です。
パンの価格が上がって(物価が上昇している状態)、お金の価値が下がったということです。

パン100円 → 300円に
同じものを買うのに、お金は3倍必要になっているのでお金の価値が下がっていることになります。

このことは何か物を買うのに必要なお金が増えていくので一見するとあまりいいことのように思いませんが、大きな経済の流れを見ると次のような好循環が生まれるようになります。

〇インフレの状態とは・・

物価の上昇によって企業側の売上が上がる

企業に勤める人のお給料があがる
企業の設備投資にかけるお金が増えよりよいものを作れる

お給料が増えればモノを買える!
しかもよりよいものが流通する!

 

景気のいい状態というのは基本的にはこの状態のことを指します。

 

一方デフレというのはどういう状態かというとインフレと真逆という状態のことを指します。デフレは物価が下降してお金の価値が上がっていく状態です。

さきほどの話で行くと
パン100円 → 50円に
同じものを買うのに、お金が1/2で済むようになるのでお金の価値が下がっていますね。

 

〇デフレの状態とは・・

物価の下落によって企業の売上が下がる

企業に勤める人のお給料は横ばい、もしくは下がる
企業は設備投資を控えてできるだけお金のかからない形で経営努力をする

お給料が変わらない、もしくは下がる、ボーナスなしではモチベーションもさがり購買意欲が下がる・・
新しいものより値下げされた商品が求められ多く流通するようになる・・

 

読んでるだけで気持ちが沈んできますね(笑)
デフレは経済が停滞しているような状態を指します。

日本では約15年このデフレの状態が続いてきたと言われています。
体感的にはバブル崩壊後から20年くらいは続いてるのではないかと思います。
その間ずっと景気が伸び悩んできたということです。

先ほどの物価上昇率は、このように物価の上がり下がりの傾向が景気が良し悪しの大きな判断材料になるということを指しています。

 

2%の物価上昇を目指すのは理由がありました

ここ数年、経済ニュースの中で「物価上昇率2%は達成できるのか?」といったことを聞いたことがあるかと思います。

現在日銀の政策として現在物価上昇率2%を目指し「デフレ脱却」として景気回復策を行っています。

なぜ2%なのかという点については日銀黒田総裁から以下のような3つのポイントが挙げられています。

①消費者物価指数の上方バイアス
②金利引き下げ余地の確保:のりしろ
③「2%」はグローバル・スタンダード

引用:日本銀行資料「なぜ「2%」の物価上昇を目指すのか」より

物価上昇率に連動するように景気の動向を見ていく指標に消費者物価指数というものがあります。この消費者物価指数も景気を判断する大きな指標になるのですが、指標の特性として少し高めになる傾向があるようで、その調整判断できるように2%という上昇率を設けています(①)。

②については、将来的に景気が大きく悪化したときの対応力が維持できるように少し余裕を持っておくために2%という数字が設定されています。

3つ目の③は①②の考え方は主要な先進国でスタンダードとされているからです。
先進国でスタンダードとされているということは、先進国水準で考えると2%の物価上昇率で経済成長を推移していくことが経済発展の観点において有効であるということかと思います。

こういった理由から景気の安定した成長のために2%の物価上昇率を判断材料として目標にしていこうというわけです。景気を回復させることで、経済を活発に、日本を元気に、その基準として2%の物価上昇率が目標となっています。

 

私たちへの影響・・そこから見えてくるものは

2%の物価上昇率の目標を掲げているものの、2017年7月時点での物価上昇率は0.5%に留まっています。まだ目標達成には厳しい状況が続いているような状態です。
ところで物価上昇率が2%となると私たちの生活はどうなるのでしょうか。

物価上昇が起こっている状態とは将来的にお金の価値が上がっていくので、同じものを買うのに先延ばしで買うよりも今買っておいたほうがよりお得に買えるということになります。そのため物価上昇の下では消費が活発になる流れになります。

2013年より日銀から物価上昇2%の目標を掲げられているにも関わらず、実際の景気は良くなっている実感はないように思います。かと言って悪くなったようにも感じません。
20年近く続いたデフレの考え方が板についてしまって、良い物をできるだけ安くという感覚が根付いてしまい、うまい具合に景気バランスを経済全体で取ってしまっているようなところなのかもしれません。

その要因としてはこんなことが考えられます。

・将来の社会保障の不安定さから来る預貯金の貯めこみ
・上がった実感のない賃金から来る消費の低迷、将来への不安

 

将来への不安定さ、不安が今のデフレの状況から脱却できない理由だとすると、景気が良くなることはきっと誰でも望んでいることかもしれませんが、もしかしたら「景気の在り方として何を望むのか」というところの議論が必要なのかもしれません。

 

 

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